昔、湘西地方の土家族で、医者として活躍していた杜仲(とちゅう)という人がいました。
彼は、長年に渡る山の往来による負担で筋骨が衰え、腰や脚の痛みを抱えていました。
ある日、杜仲は山に薬草を採りに行き、疲れたので立派な大木の下で休憩していました。
木の樹皮に刀をかけたところ、樹皮に白い糸のようなものが多数あるのを偶然発見しました。
これは他の植物にはなく、この植物だけの特別なものであると考えました。
杜仲は、この樹皮に含まれる「筋骨」のような白い糸が、人間の筋骨を強くするのではないかと考え、家に持ち帰り煎じて服用し始めました。
しばらくすると、彼の腰痛と脚の痛みが治まったのです。
さらに、身体が軽くなり、髪が黒くなりました。
その後もずっと健康を維持し、結果、長寿になったのです。
多くの土家族の人々が、杜仲に健康長寿の秘密を尋ねてきました。
杜仲は喜んで秘密を彼らに教えました。
多くの高齢者も、この植物の樹皮を服用し始めました。
効果は非常に良く、多くが健康長寿になりました。
その後も、杜仲はこの樹皮を服用し続けました。
そして、ついに仙人となり、姿を消してしまいました。
土家族の人々は杜仲に敬意を表し、この植物を「思仙」や「思仲」と呼び始めました。
それが後に「杜仲」と呼ばれるようになったのです。
土家族の人々は杜仲の木を神聖な木として祀り、健康と長寿を祈りました。
杜仲の樹皮は貴重な献上品として地方の領主に献上されていました。
一方、一般の人々はそれを享受することができませんでした。
毎年、清明から夏至にかけてが杜仲の樹皮を剥ぐのに最適な時期で、この時期の杜仲の葉は特に柔らかく新鮮でした。
ある日、人々が杜仲の樹皮を剥いているとき、手に取った杜仲の葉にも樹皮と同じように白い糸があることに気づきました。
人々は大喜びし、いくつかの葉を持ち帰り、水で煎じて飲んでみると、味は杜仲の樹皮よりも甘かったのです。
彼らは、「この葉も神聖な木からの贈り物である」と信じました。
その後、人々は樹皮を領主に献上し、一方で自分達は日常で飲むお茶の葉として、杜仲の葉を使うようになりました。
長い期間使用される中で、杜仲の葉は樹皮と同じ効果があることが分かりました。
その後、人々はこの健康と長寿をもたらす杜仲の葉を「長寿葉」と呼ぶようになりました。
おしまい
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